本日、Facebook社はコミュニティ規定施行レポートの第6版(日本語版 Facebook, Instagram)を公開します。今回のレポートは、2020年第2四半期(4月から6月まで)におけるポリシーの施行状況に関する指標を提供しており、Facebookが掲げる12のポリシーと、Instagramが掲げる10のポリシーに関する指標に則っています。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、健康と安全を守るため、3月にコンテンツレビュアーを自宅待機とし、コンテンツのレビューにおいてテクノロジーによる自動検知の比重を高めました。その後、コンテンツレビューチームの多くを在宅勤務とし、安全が確保された場所では少数のコンテンツレビュアーがオフィスでの業務を再開しました。私たちは、今後もレビューするべきコンテンツに優先順位をつけるためにテクノロジー(英語のみ)を利用し、最も害を及ぼす可能性があるコンテンツを優先して措置を講じていきます。本レポートでは、新型コロナウイルス感染症による不適切なコンテンツの管理・削除への影響が見られており、違反コンテンツを特定して削除する技術は向上しているものの、引き続きコンテンツのレビューとFacebook社が保有するテクノロジーのトレーニングの両方を人員に頼っている分野があることを示しています。
例えば、自殺と自傷行為、児童搾取の分野に関してはコンテンツのレビューおよびこれらのポリシーに違反する同様のコンテンツを事前に検知して削除するテクノロジーの改善において人員に大きく依存しています。稼働できるコンテンツレビュアーの数が減ったため、FacebookとInstagramでの自殺と自傷行為、Instagramでの児童のヌードと性的搾取に対して措置を講じた件数は減少しましたが、これらの分野の中でも最も有害なコンテンツを特定し、優先的に対応しました。私たちは可能な限り迅速かつ安全にレビュアーを増やしながら、これらのコンテンツを見つけ出し、削除することに注力していきます。
また、この期間は異議申し立てをする機会を十分に提供することができなかったため、今回のレポートでは、異議申し立ての数も以前と比べて非常に少なくなっています。私たちは異議申し立てに関して利用者に通知し、私たちが間違った判断をしたと利用者が思う場合には、私たちの決定に同意しないことを伝えられるオプションを追加しました。そして、こうした案件の多くを確認し、必要に応じてコンテンツを復元しました。最後に、今回の期間中は特定の取り組みを測定するよりも、有害なコンテンツを削除することを優先したため、成人のヌード、性的行為および暴力的で過激な描写を含むコンテンツの表示頻度は算出できませんでした。これらの指標は次回の第3四半期レポートにて共有できる予定です。
新型コロナウイルス感染症の影響があった一方、Facebook社のテクノロジーの改善により、一部の分野ではより多くのコンテンツに対応できるようになり、その他の分野では事前対応率を高めることができました。Facebook上のヘイトスピーチに対する事前対応率は89%から95%へと6ポイント上昇しました。その結果、対策を講じたコンテンツの量は、第1四半期の960万件から第2四半期には2250万件に増加しました。これは、第1四半期にスペイン語、アラビア語、インドネシア語の自動化技術の一部を拡充し、英語検知技術の改善を行ったためです。第2四半期には、自動化技術の改善により、英語、スペイン語、ビルマ語でより多くのコンテンツに対して措置を講じることができました。Instagramでは、ヘイトスピーチの事前対応率が45%から84%へと39ポイント上昇し、事前に措置を講じたコンテンツの量が2020年第1四半期の80万8900件から第2四半期には330万件へと増加しました。これは、英語とスペイン語での事前検知技術の拡大によるものです。
テクノロジーによる改善が見られたもう一つの分野は、テロ関連のコンテンツでした。Facebook上で措置を講じたコンテンツの数が第1四半期の630万件から第2四半期には870万件に増加しています。また、テクノロジーの向上と一部のコンテンツレビュアーの復帰により、Instagramでの組織的なヘイトや、FacebookやInstagramでのいじめや嫌がらせに関連するより多くのコンテンツに対して措置を講じることができました。
アプリ上でのヘイトへの対策は進んでいますが、私たちのサービスを誰もが安心して利用できるようにするためには、まだ課題が残っています。そこで、Facebook社は公平かつ包括的なプロダクト開発のためのInstagram 公正チーム(Instagram Equity Team)とFacebook包括的プロダクト評議会(Facebook Inclusive Product Council)を含む新しいチームとタスクフォースを立ち上げ、さまざまなトピックや問題について経験に基づいた意見を提示するダイバーシティ諮問委員会(Diversity Advisory Council)を設立します。また、ある種の暗黙のヘイトスピーチ (例えば、ブラックフェイスを描写する内容や、ユダヤ人が世界を支配しているという固定観念) をより具体的に考慮するために、私たちのポリシーをアップデートしています。また、ヘイトグループに対するポリシーに違反するコンテンツを優先的に削除することも継続しています。2019年10月以降、Facebook社は23のあらゆる禁止団体に関するコンテンツを削除するために14回の戦略的ネットワークの排除措置(英語のみ)を講じ、その半分以上が白人至上主義を支持していました。
私たちは、有害なコンテンツに関する報告数値が正確であるということを利用者に信頼してもらいたいと考えております。こうしたことから、2021年からは独立した第三者機関による監査(英語のみ)を受け、コミュニティ規定施行レポートで公表している数値を検証していきます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進む中、Facebook社はコンテンツレビューのプロセスを引き続き適応させ、技術の向上に努めるとともに、より多くのコンテンツレビュアーを復帰させていきます。