この度、Facebookが新たに設立した監督委員会の初期メンバーが発表されました。これにより、Facebookのプラットフォーム上のコンテンツに対する複雑かつ重要な判断に関するプロセスが根本的に変わります。
マーク・ザッカーバーグがコンテンツのガバナンスと、それを施行する新体制のビジョンを最初に公表した際に述べたように、Facebookは「表現の自由と安全に関連する多くの重要な判断を独自に下すべきではない」と考えています。 多くのコンテンツを扱う場合には、大きな責任が伴います。私たちはプラットフォームの安全性を保つ最善の方法について常に専門家のアドバイスを受けてきましたが、これまではFacebookのプラットフォーム上でどのコンテンツを許可し、どのコンテンツを削除すべきかについての最終判断は私たち自身で行ってきました。しかしこうした判断が容易であるとは限りません。下された判断が明白な、あるいは議論の余地のない結果をもたらすということは稀であり、かつ多くが表現の自由と密接に関わっています。
そこでFacebookは、複雑かつ重要性が高いコンテンツに対して独立した判断を下す新たな機関を作り、権限を与えることにしました。そのため、Facebookに対して批判的な人と賛同的な人の双方から意見を募り、88か国の650人以上とワークショップや円卓会議を実施し、国際的な協議を進めました。その結果を以下のとおりご報告いたします。
- 委員会の構成、管掌領域、権限を規定する憲章の最終版をリリース
- 委員会の決定や提案の独立性を確保するため、監督委員会トラストを設置
- 運用手続きを定めた委員会の定款を公開
- 事務局とスタッフの管理を担当する委員会の事務局長を採用
- 委員会のメンバーを務めることに関心がある方からの応募や、候補者の推薦を受け付けるため、候補者推薦用サイトを開設
監督委員会メンバー
この度発表されたメンバーは、全員が幅広い知見と経験を持っています。住んだことのある国は合わせて27か国以上、扱う言語は合わせて29か国語以上という国際色豊かなメンバーは、それぞれが監督委員会の使命に意欲を燃やしています。私たちがメンバーに期待するのはFacebookにおもねることなく判断を下すことです。メンバーが独立した判断を下す真に自律的な存在であること、それこそが重要となります。また、委員会のメンバーであること自体が批判にさらされることも予測されます。しかし委員会の長期的な成功は、異なる視点と専門知識をもたらすメンバーがいるかどうかにかかっています。
メンバー選出のプロセス
委員会のメンバー選出プロセスでは、まずFacebookが4人の共同議長を指名し、彼らと協力してこの度発表した16人のメンバーを追加で選出しました。引き続き同様の方法でメンバーの選出を行い、メンバーが40人に達したら、以降は委員会が独自の裁量でメンバーを選出することになります。 候補者推薦用サイトでは、引き続き自薦・他薦の応募を受け付けています。
メンバーは監督委員会と直接契約を交わすため、Facebookの社員ではなく、Facebookに解雇されることはありません。
本委員会の取り組み
Facebookは、法律に違反する可能性がない限り委員会の決定を履行し、委員会が提示した方針に建設的かつ誠実に従います。
委員会がFacebookまたは一般からの申し立てのすべてに対応することはできませんが、委員会の対応範囲については今後順次拡大することを目指しています。拡大に伴い、Facebookのコンテンツポリシーの前例や方向性を確立するうえで、委員会の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。そして長期的には、委員会の影響がFacebookの外に広がり、オンライン領域でのコンテンツガバナンスに対する同様のアプローチを発展させる足がかりとなることを私たちは期待しています。
最後に、今までに類を見ないこのプロジェクトに時間とエネルギー、そして専門知識を捧げてくださったすべての皆さまに心から感謝の意を表します。