マーク・ザッカーバーグが、Facebookのコンテンツに関する判断を監督する機関を設置するビジョンを最初に発表して以来、私たちはこの新しい独立機関の基盤を構築してきました。この機関が、事例を審査してコンテンツに関する拘束力のある決定を下すことになります。昨年末、Facebookによる監督委員会への資金提供を管理したり、監督委員会の運営の監督を担い、委員会のメンバーと契約を結ぶ、監督委員会トラストとLLCの設立に関する最新情報について公開しました。このたびFacebookは、委員会の決定を履行するプロセスの詳細を皆様にお伝えできるように、定款と概要図を公開し、また監督委員会の事務局長についても発表いたします。
この定款は委員会の運営と手続きのルールを定めています。一般的な企業と非営利団体の定款から着想を得ていますが、その内容は、監督委員会、Facebook、監督委員会トラストの間の独自の取り決めを反映しています。これらの定款は、三者それぞれの権限と責任、さらにはFacebookの利用者の皆様の役割について説明しています。委員会によって承認された後、この定款が日常業務の指針となり、定款を定めた文書の最終版が委員会のウェブサイトで公開されます。
事例の取り扱いに関するタイムライン
Facebookは、利用者の皆様のプライバシーを保護し、委員会のメンバーが事例情報を安全に閲覧できるように、事例管理ツールも構築しています。
当面は、Facebookが削除した個々のコンテンツのみが事例の対象となり、以下の2つの方法で委員会に報告されます。1つ目の方法では、InstagramやFacebookのコンテンツを削除するというFacebookが下した決定に納得できず、異議を申し立てたが問題が解決しなかった利用者が、15日間以内に委員会に異議を申し立てることができます。2つ目の方法では、Facebook自体が重要かつ困難な事例を直接報告できます。
委員会への異議申し立てを実現できるように、Facebookでは関連技術の改良と拡張に引き続き取り組んでまいりますが、コンテンツ削除にあたらないと判断した事例についても、利用者の皆様が委員会に報告できるようにしたいと考えています。同様に、定款に定められている通り、グループやページなど委員会が審査できるコンテンツの種類も、順次増えていく予定です。監督委員会は状況に合わせて柔軟に対応できるように設計されています。これは利用者によるFacebookのサービスの利用方法の変化に対応し続ける必要があるからです。
私たちはコンテンツに関する無数の判断を行っており、事例の審査に時間がかかることを考えると、Facebookの将来の判断や方針を導く可能性が最も高い事例を優先的に委員会は選ぶことになります。Facebookは、委員会が事例に関する決定を下し、私たちがその決定に基づいて行動するまでに約90日かかると予想しています。
委員会は、Facebookが直面している最も重要な判断(現実世界に影響を与えるものなど)に関与できるようにするため、迅速な審査の仕組みを設けています。この仕組みの中では、Facebookが緊急性のある事例を委員会に直接付託し、直ちに検討するように求めることができます。このプロセスは、外部の利害関係者からのフィードバックで、委員会による迅速な審査が他よりもはるかに求められる事例もあるとの強い意見に応える形で設けられたものです。
委員会の初期メンバーが配置され、数か月以内に業務を開始した後、どのような事例をどのようなペースで審査するかを委員会で決めていく予定です。
委員会による判断の履行
Facebookは、定款で定められている通り、コンテンツに関する委員会の個々の決定を7日以内に履行することをお約束します。さらに、似た文脈を持つ同一のコンテンツにも委員会による決定を適用できるかどうかの技術的および運用上の実現可能性について、定款に記載の通りFacebookが検討します。
委員会からポリシーに関する追加の勧告がある場合、Facebookはそのガイダンスについて検討します。勧告の中には、現行のポリシーや慣行をわずかに変更するだけのものもあれば、大幅な変更や複雑な変更を伴うものもあります。後者の場合、Facebookのポリシー作成プロセスの全過程または他の適切なチャンネルを経ることになります。これにより、ポリシーに関して提案された勧告が徹底的に熟慮かつ分析され、他の利害関係者もこのプロセスに関与できるようになります。
定款に記載されているように、Facebookは、ポリシーに関する勧告を受けてから30日以内に公に回答し、それに続くアクションを実施します。これは、委員会および公的な透明性に対してFacebookが果たす責務の中で、非常に重要な部分です。
スタッフ配置および監視委員会事務局長
これまでに行ったグローバル規模の協議で、委員会には専任スタッフを置くべきだという貴重なフィードバックが寄せられました。スタッフ自身が取り扱う事例を審査することはありませんが、その職務には、事例の選定補佐や委員会のミーティングのファシリテーターを務め、委員会が熟慮を重ねたうえでの慎重な決定を下すのに必要なサポートを提供することなどが含まれます。また、スタッフは受託者の善管注意義務やその他の責務に関しても補佐します。
このたびFacebookは、初代の監視委員会事務局長に、トーマス・ヒューズ氏を指名したことを発表いたします。同氏は、表現の自由とデジタル著作権に焦点を当てた国際的な非政府組織、Article 19の取締役を務めていました。今後、ヒューズ氏は監視委員会の事務局スタッフを統率することとなります。
Facebookは、今後数か月のうちに委員会のメンバーおよび受託者を発表します。その間、委員会は最初の事例の審理準備を進め、委員会の活動のサポートとして、LCCとヒューズ氏が引き続きスタッフの採用を行う予定です。