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グローバルな監督委員会の設立に関するアップデート

昨年11月、マーク・ザッカーバーグはFacebookにおけるコンテンツのガバナンス体制に関するビジョンを公表しました。それ以降、コンテンツに関するFacebookの判断を監督する新たな独立機関の基盤づくりに取り組んでいます。今回は、これまでの進捗と2020年に向けた取り組みをご説明します。

  • 昨年末Facebookでは、同年1月に公表した憲章の草稿に従って、この監督委員会の設立に関する国際的な協議を開始しました。
  • 4月にはパブリックコメントの募集プロセスを立ち上げ、委員会の構成について誰もがアイデアを提案したり、意見を提示したりできるようにしました。
  • また6月には、人権、言論の自由、ジャーナリズム、安全、法律といった各分野に精通する世界中の専門家から寄せられた意見や提案を公開しました。
  • これらの意見や提案は9月に発表した最新版の憲章において反映されています。さらに、委員会の初期メンバーの選定プロセスを詳しく説明する要約も作成しました。また、誰でも候補者を推薦したり、自分で応募したりできる候補者推薦用のサイトを開設しました。
  • 11月には、監督委員会の枠を越えたより広範な形でオンラインコンテンツのガバナンスを支援するため、独立の調査機関ならびにアドボカシー団体に提案を求めました

委員会での事例の審査に必要なインフラの整備も進んでいます。事例に関する情報への安全なアクセスを提供し、世界各地に点在する委員会メンバーによるコラボレーションを可能にする新しい事例管理ツールなどがその一例です。

次に、世界中から寄せられた委員会に関する意見や提案に基づく2つのアップデートをご紹介します。

監督委員会トラスト

委員会が決定や提案を行う際のその独立性を確保するため、Facebookでは独立した監督委員会トラストを設置しています。委員会のガバナンス体制にとって必要不可欠であるこのトラストは、デラウェア州会社法に基づいた非公益目的のトラストとして設立されています。このたび公表するトラスト文書には、Facebookが関与しない形で委員会メンバーとの契約締結を推進し、職員の雇用について定めるトラスト合意書とLLC運営契約の両方が含まれています。

委員会は、Facebookから独立した専属のスタッフを採用します。初期の委員会スタッフは、広報、法務、人事、リサーチといった各側面において委員会をサポートできるディレクター、ケースマネージャ、専門スタッフ(または契約サービス)によって構成される予定です。

トラストは、各種プロセスの維持と委員会への監督を通じて、委員会の憲章を遵守した優れたガバナンスと説明責任を担保します。例えば、委員会予算の監視もトラストの責任の1つです。これには、給与支払い報告や経理報告の管理、税務コンプライアンスの確認、委員会の年間予算の審査などが含まれます。またトラストは、今後作成される定款ならびに行動規範に基づき、委員会メンバーを正式に任命、罷免します。

トラストには、3名の個人受託者と、大規模なトラスト関連業務に豊富な経験を持つBrown Brothers Harrimanが受諾団体として任命されます。現在Facebookでは、幹部人材調査会社Spencer Stuartの協力のもと、個人受託者の選定に取り組んでいます。 これら3名の受託者については来年発表する予定です。

オフィスやスタッフ雇用、出張費用などを含む委員会の初期資金として、Facebook13000万ドルをすでに出資しています。これにより、委員会は2期分すなわち約6年間分の運営資金をまかなえると考えられます。委員会はトラストに年度予算を提出して、予算の承認と資金の支払いを求めます。委員会とトラストが提出する年間報告書は、これらのリソースの管理も含め、委員会の健全性と有効性を示す記録となります。Facebookは委員会の運営資金を今後も引き続き提供する予定です。そのため、実質的かつ長期的な追加の資金提供が必要になったときにはこれらの報告書を活用してその必要性を評価します。

前述の初期資金および今後Facebookが提供する資金はトラストと委員会の判断に基づいて利用されます。これらの資金は、パブリックコメント募集プロセスのグローバル展開(1年間)、委員会の運営を支援するための新しいインフラとツールの開発といった委員会設立の実現計画に向けてFacebookがすでに行っている投資とは別途のものです。

人権保護評価の実施 

委員会の構造は表現の自由、プライバシーの権利、救済措置を受ける権利など、基本的人権の原則に根付いたものでなければならないという意見が寄せられており、Facebookとしても責任感をもってその原則に従うべきと考えています。この意見を受け、Facebookでは、人権に関する実情やポリシーに精通する非営利団体Business for Social Responsibility (BSR)の協力のもと、「Human Rights Impact Review(人権への影響の評価)」を委託実施しました。この評価では、委員会メンバーの多様化、改善策、利用者の支援、コミュニケーションにおける透明性の原則、プライバシー保護ツールといった事項への取り組みが推奨されました。これらの推奨事項は委員会の憲章および定款の作成において役立てられています。Facebookでは、委員会メンバーが実務を開始する際にリソースとしてこの評価報告を活用してくれることを期待しています。

次のステップ

1年を通じて世界中の専門家や関係者から受け取った意見や提案は委員会の発展、定款の作成、適切なメンバー選出を促すために今後も役立てさせていただきます。

憲章に明記されているとおり、定款は委員会がその運用手続きを作成して体系化する際の拠り所となります。そこには、委員会、トラスト、Facebook、そして最も重要な存在である私達の各種プラットフォーム利用者のコミュニティとの間に築かれるべきパートナーシップのあり方も明確に示されます。

さらには、今後も外部専門家と協力しながら、委員会メンバーの候補者の募集および審査に努めます。この取り組みには、昨年9月に開設した候補者推薦用のサイトを通じて推薦された人たちも対象として含まれます。推薦への呼びかけに応じて、多岐にわたる分野からさまざまな背景の人たちから応募や推薦が寄せられています。Facebookでは、メンバー選定プロセスの一環として、これらの候補者を積極的に審査し、採用を検討しています。委員会の一員として貢献することに対する強い関心が世界中で見られていることは、私達が正しい方向に向かっている証でもあります。メンバーの発表は本年度末に予定していましたが、現在でも多くの応募や推薦が届いており、これらの候補者の審査に要する時間を考慮して、この発表を延期することに決定しました。

来年度には監督委員会を具現化させ、事例の審査を開始することを心待ちにしています

 

Downloads:
トラスト合意書
LLC運営契約
Human Rights Impact Review(人権への影響の評価)


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