9月25日(米国時間)に開催した第11回目となるMeta Connectにおいて、Meta創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグは、複合現実(MR)、AI、ウェアラブルの分野における最新のニュースや開発状況について共有しました。これらはすべて、オープンで、人と人とがよりつながる未来というMetaのビジョンを築き上げるものです。
この1年間で、Meta Quest 3という世界初のマスマーケット向け複合現実(MR)ヘッドセットを発売、Ray-Ban Metaスマートグラスをアップデート、さらに、初めてのフロンティアレベルのオープンソースAIモデルも含む、複数の新しい大規模言語モデル(LLM) をリリースするなど、Metaは人々を中心に据えた次世代のコンピューティングプラットフォームへの道のりを歩んで来ましたが、Meta Connectの基調講演にて最新の進捗を共有しました。
複合現実(MR)関連: Meta Quest 3S、Horizon OSのアップデートなど
Meta Quest 3Sの登場により、かつてない体験をかつてない価格で可能にします。48,400円(税込)からという手頃な価格で、これまで以上に多くの利用者が高品質の複合現実を体験できるようになります。本日より事前予約が可能で、10月15日(日本時間)に発売開始します。
Meta Quest 3Sは、Quest 3と同じ機能を備えています。つまり、Qualcomm Technologies社と共同開発したSnapdragon® XR2 Gen 2プラットフォームを搭載し、高解像度でフルカラーの複合現実により、物理世界と仮想世界をシームレスに融合することができます。また、ハンドトラッキングによる自然な操作と、Touch Plusコントローラーによる正確な操作の両方を利用できます。エンターテインメント、フィットネス、ゲーム、仕事、ソーシャル体験など、Meta Horizon OSで利用可能なあらゆる体験にアクセスできます。また、ヘッドセットは定期的なソフトウェアアップデートにより、時間とともにさらに改善されていきます。
Meta Quest 3とQuest 3Sはとの主な違いは、ヘッドセットのデザイン、フレネルレンズ、そして視野角がやや狭いことです。
エントリーモデルのMeta Quest 3S 128GBでまずは試してみたい場合でも、より大容量の256GBモデルのQuest 3Sにアップグレードする場合でも、あるいはMeta Quest 3の512GBモデル(※新価格 :税込81,400円)で最高級の体験をしたい場合でも、Meta Quest 3ファミリーは市場で最高のMRヘッドセットシリーズとなります。
また、期間限定で、上記3つのヘッドセットのいずれかを新規購入すると、『バットマン:アーカム・シャドウ』が付属される特典もあり、どなたにとってもお得だと感じてもらえると思います。
さらに、発売初日から楽しめるすばらしいコンテンツが豊富にあります。Prime Video、Amazon Music、本日リリースされたばかりのTwitchアプリなど、お気に入りのストリーミングサービスから、間もなく登場するAlo Moves XRや、Supernatural(日本未対応)に新たに追加されたマルチプレイヤー機能まで、Meta Questにはホームエンターテインメントシステムやパーソナルトレーナーまでも一つになっています。また、Microsoftと協力してRemote Desktopをアップグレードしてきました。間もなく、Windows 11のPCにMeta Questヘッドセットに接続できるようになり、キーボードを見るだけでペアリングを開始できます。大きなバーチャルディスプレイで作業したい場合や、プロジェクトに集中して取り組みたい場合でも、QuestはPCを自然に拡張させることができます。
なぜなら、Meta が構築しているのは、次世代のゲームプラットフォームではなく、次世代のコンピューティングプラットフォームだからです。映画を観たり、音楽を聴いたり、スプレッドシートをいじったり、友達とゲームを楽しんだり、一緒に時間を過ごしたり、人とつながったりすることができます。また、これまで以上に開発者がHorizon OS向けアプリケーションを簡単に開発できるよう改善しており、さらに今後より多くの素晴らしいコンテンツが期待できます。プレゼンス(そこにいるという存在感)の魔法のおかげで、 コンピューターでできることはすべて、MRヘッドセットでより良くできるようになるのです。
そしてMetaはプレゼンスについても改良を続けており、メタバースにフォトリアルな空間を取り入れようと取り組んでいます。物理的にそこにいるように見えたり、感じたりすることができる空間で、より深くつながることができる新しい方法「Hyperscape」を可能にします。これは、3Dボリュームレンダリング技術であるガウス・スプラッティングを利用することで、クラウドレンダリングとストリーミングを活用し、これらの空間をスタンドアローンのQuest 3ヘッドセットで表示できるようにすることができるようになります(米国のみ)。本日よりQuest 3のデモをリリースし、基調講演で紹介したDaniel Arshamのアーティストスタジオなど、これらのデジタル複製の一部をご覧いただけます(米国のみ)。将来は、クリエイターがスマートフォンを使って部屋をスキャンし、それを再現することで、物理的な空間を簡単にデジタルの世界に取り込むことができるようになります。
これが未来なのです。
MRのすばらしい世界に飛び込むために、ぜひMeta Quest 3Sを事前予約してください。また、最高クラスのMeta Quest 3(512GB) は81,400円(税込)に値下げをしました。 詳細はこちらをクリックしてください。
AIのモメンタム
Meta AIは2023年の米国での提供開始以来、人々に最先端のAIを無制限に無料で提供することで、他とは一線を画していました。そして、今年末までには、世界で最も利用されるAIアシスタントとなる見込みです。すでに毎月4億人以上がMeta AIを利用しており、Metaが提供するアプリを通して毎週1億8500万人が利用しています。私たちはこのMeta AIをこれまで以上に楽しく、便利で、高性能なものにします。
音声機能を追加することによって、Meta AIとのやりとりがより自然なものになります。Facebook、Messenger、WhatsApp、InstagramのDMでMeta AIに話しかけると、Meta AIが応答します。間もなく、Awkwafina、Dame Judi Dench、John Cena、Keegan Michael Key、Kristen Bellといった著名人のおなじみの音声によって、スマートAIアシスタントがより生き生きとしたものになり、楽しさが増します。*
InstagramとFacebookの両方で、リールに表示されるコンテンツを母国語でより多く視聴いただけるよう、自動動画吹き替えとリップシンクの実験を、まずは英語とスペイン語で開始します。Instagramでは、一部のクリエイターから開始し、今後より多くのクリエイターと言語に拡大していく予定です。これにより、クリエイターは話す言語に関係なく、世界中のさらに多くの利用者にリーチできるようになります。
AI編集ツールに新しい機能を追加します。Meta AIが視覚情報を処理できるようになったため、自身がアップロードした画像について質問をすることができます。例えば、ハイキング中に気になった花を撮影して、Meta AIにそれが何の花なのかを尋ねたり、あるいは、食べ物の写真をアップロードして、Meta AIにレシピを考えてもらうこともできます。また、アップロードした画像を、Meta AIを利用し、日常的に使用する言葉で正確に編集を行うこともできます。以前はMeta AIが生成した画像のみ編集できましたが、現在は自身が撮影した写真などに簡単に要素を追加、削除、変更することが可能です。
Meta AIのImagine機能を活用し、FacebookとInstagramのストーリーズ、フィード投稿、プロフィール写真にAIで加工した自分を載せることができるようになります。 AIで加工した自撮りを簡単に共有できるので、友達がそれを見てリアクションしたり、真似したりすることもできます。またMeta AIは、FacebookとInstagramのストーリーズのキャプションも提案できるようになりました。画像を選択するだけで、マルチモーダルAI技術が画像に合ったキャプションを提案します。
MessengerとInstagramのDMでは、自身と友達に合った雰囲気を作り出せる、AIが生成したチャットテーマを追加します。また、FacebookとInstagramのフィードでは、Meta AIが生成した新しいコンテンツをテストしています。提案されたプロンプトをタップすると、そのコンテンツが新しい方向に展開したり、また、スワイプすると、Imagine機能で新しいコンテンツをリアルタイムで生成できたりします。一部の画像は、自身の興味に基づいて生成されるため、関心を持っていることを深く掘り下げることができます。また、利用者自身をフィーチャーしたものもあるので、自身のストーリーの主役となり、お気に入りを友達と共有することもできます。
AI製品のアップデートについての詳細はこちらからご覧ください。
Meta は新しいLlama 3.2モデルをリリースしました。 Llama 3.2 は、画像とテキストの両方を理解する、Metaにとって 初となる主要なビジョンモデルです。 Llamaに画像サポートを追加するために、既存の8Bおよび70Bパラメータのテキストのみのモデルと統合するアダプターの重みを訓練し、画像も理解する11Bおよび90Bパラメータモデルを作成しました。また、特に推論のインテリジェンスを向上させ、これまでリリースした中で最も進化したモデルとなっています。
さらに、スマートフォンや、将来的にはスマートグラスなどのデバイス上で実行できるように最適化された、超小型の1Bおよび3Bパラメータモデルもリリースします。
MetaはオープンソースAIこそが進むべき正しい道であると考えています。オープンソースAIはコスト効率が良く、カスタマイズ可能で、信頼性が高く、パフォーマンスも優れています。Meta は継続的な改善と新たな機能の追加により、責任を持ってLlamaを推進し続けます。Llama 3.2についての詳細はこちらをご覧ください。
Ray-Ban Meta スマートグラス(日本未発売)についても、多くの発表がありました。Spotify、Audible、iHeartを新たに統合できるよう取り組んでいます。また、スマートアシスタントMeta AI との連携により、スマートグラスの体験をさらに向上させています。
より会話的で自然な体験を実現すべく、指示のたびに「Hey Meta」と言う必要はなくなります。起動のためのウェイクワードで会話を開始し、その後の指示については普通にグラスに話し続けることができます。
スマートグラスが物事を記憶する手助けをする機能も追加します。例えば、飛行機で旅行に行く際に、スマートグラスが駐車場でどこに駐車をしたのかを記憶してくれます。または、3時間後に目的地に到着した時に、母親にテキストメッセージを送るよう、音声を使ってリマインダーを設定することもできます。さらに、利用者が実際に見ているテキスト情報に基づいてアクションを起こすこともできるので、チラシに記載されている電話番号に電話をかけたり、QRコードをスキャンしたりすることもできます。
動画入力のMeta AIサポートを追加し、継続的なリアルタイムのサポートを受けることができるようになります。例えば新しい街に来た時に、Meta AIに同行してもらい、そこで目にするランドマークについて尋ねたり、次に何を見たらよいかアイデアをもらったりと会話をすることができ、ハンズフリーで自分自身だけのウォーキングツアーを作成できるようになります。
そして、ご利用のスマートグラスで、まもなくリアルタイムで会話を翻訳できるようになります。スペイン語、フランス語、イタリア語を話す人と会話しているとき、スマートグラスのオープンイヤースピーカーから話の内容を英語で聞くことができます。これは旅行に最適であるだけでなく、言葉の壁を取り払い、人と人とをより近づけることにも役立つはずです。将来的には、この機能をさらに便利にするために、より多くの言語のサポートを追加する予定です。
さらに視覚障がい者や低視力者と目の見えるボランティアをビデオ通話でつなぎ、目の前の状況を説明してもらうことができる無料アプリBe My Eyesと提携します。このスマートグラスより、ボランティアの方は、目が不自由な方の視点を簡単に確認し、周囲の状況を伝えることができるようになります。
EssilorLuxotticaのTransitions®レンズの新シリーズがRay-Ban Metaコレクションに登場し、屋内から屋外へ、そしてまた屋内へとシームレスに移行できるスマートグラスに、さらに多くの選択肢が増えます。また、内部の部品が見える新しい限定のShiny Transparent Wayfarerフレームを発売します。
※日本では未発売。
詳細はこちら(英語のみ)からご覧ください。
そして最後に、10年がかりで開発をしたプロダクトプロトタイプ「Orion」を発表しました。 その要件はシンプルでした。ヘッドセットではなくグラス型で、ワイヤレス、重量100グラム未満であること。さまざまな照明の下でもはっきりと見える十分な明るさのディスプレイで、マルチタスク用の複数の画面や、エンターテイメント用にシネマサイズの画面を表示できる十分な視野角であること。そして、身の回りの物理的な世界を見ることができるものでなければなりませんでした。 パススルーによる物理世界の表現ではなく、デジタル要素が重ねられた”実際の”物理世界です。
またUIの操作をサポートするための、音声コントロールや、ハンドトラッキングやアイトラッキングも必要でした。しかし、控えめに、プライベートに、そして人目を引かない方法でスマートグラスと通信する方法も求めていました。そのため、新しいインターフェースの開発も必要だったのです。
Orionは、これらすべての条件を満たしています。10個のカスタムシリコンチップと新しいディスプレイアーキテクチャによる小型化の偉業です。Orionにはシームレスな入力を可能にするEMG(筋電図)リストバンドが付属しています。そして、これは完成した実用可能なプロトタイプです。これは、将来実現するかもしれない可能性の一端を見ているのではなく、すでに手の届くところにある現実なのです。
Orionによって、人間中心のコンピューティングと、世界中のどこにいても他の人がそこにいるという深いプレゼンスを感じられるという次なる大きな波の可能性を実現する上で、重要な一歩を踏み出しました。
Orionについて詳しくはこちらをご覧ください。
これらが、人と人とのつながりの未来です。開発を行うにあたって、今がまさにエキサイティングな時です。Metaと共に開発をしてくださっている開発者の方々、長年このテクノロジーを信じてくださっているアーリーアダプターの方々、そして、好奇心を持って一緒にこの旅路に参加くださっている方々、すべての方々に感謝いたします。
*Meta AI音声のアップデートは、英語のみで、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、米国のみでご利用いただけます。