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未成年の性的コンテンツ拡散を防ぐ「Take It Down」が日本語に対応

Metaは6月6日(木)、米国の民間非営利団体「全米行方不明・被搾取児童センター National Center for Missing & Exploited Children(NCMEC)」に協力し、18歳未満の時に撮影された性的な画像や動画の拡散を防ぐためのプラットフォーム「Take It Down(テイクイットダウン)」の日本語版ローンチを記念したイベントを開催しました。

Take It Down 日本語ページ:https://takeitdown.ncmec.org/ja/

 Take It Downとは

性的な画像や動画が拡散され第三者の目に触れることは、特に若い世代の人々にとって恐ろしく、圧倒されてしまう出来事です。それを脅迫に使ってさらに多くの画像や性的関係、金銭を要求するなど、いわゆる「セクストーション」として知られる犯罪の被害者になることもあります。

先月末から日本語でも利用が可能になったTake It Downは、未成年者を含む若い世代の人々が、自分自身の性的な画像や動画のコントロールを取り戻す手助けをするプラットフォームです。TakeItDown.NCMEC.orgのページを訪れ、手順に沿って申請すると、加盟するオンラインプラットフォーム上で該当する画像や動画が検出される仕組みで、自分のデバイスから拡散を防ぎたい画像や動画を選択すると、ハッシュ値と呼ばれる固有の数値コードが割り当てられます。ハッシュ値をNCMECに提出すると、Metaをはじめとする加盟企業は、それを使って該当する画像のコピーを検出してプラットフォーム上から取り下げ、その後また同じコンテンツが投稿されることも防ぎます。

Take It Downを利用する若年層のプライバシー及びデータ上のセキュリティを尊重するため、Take It Downを通じてNCMECに提出することができるのは、性的な画像や動画そのものではなく、ハッシュ値だけです。画像や動画として閲覧できない数値コードの形にハッシュ化することで、安全なデジタル指紋を生成することができます。

また、下記の場合を含めて年齢を問わず誰でも利用することが可能で、自分の性的な画像や動画のオンライン上での拡散を防ぐことができます。

Take It DownはMetaの経済的なサポートを得て開発され、まずは昨年2月に英語版とスペイン語版をローンチ、今年2月にはさらに29の言語に対応を拡大しました。

専門家や関連団体を招いてイベントを開催

本日開催されたイベントには、国内で女性・若年層支援などの活動に携わるNPO/NGO団体の関係者が参加し、米国から来日したNCMEC ディレクターのFallon McNulty(ファロン・マクナルティ)氏がTake It Downの仕組みや狙いについてプレゼンテーションを行いました。

また、Metaにおける未成年の性被害抑止の取り組みについて、アジア太平洋地域でセーフティポリシーを担当するMalina Enlund(マリナ・エンランド)が紹介。「Metaにとって、プラットフォームにおける若年層の利用者の安全は10年以上に渡って最優先事項のひとつ。コミュニティ規定の『児童に対する性的搾取、虐待、児童のヌード』という項目にもあるように、子どもを性的に搾取したり危険にさらすコンテンツや活動を禁止しており、NCMECをはじめとするパートナーと緊密に協力することで取り組みを進めている」と述べました。

イベントの後半では「オンライングルーミングから子どもを守るためにできること」をテーマにパネルディスカッションを行い、NCMECのMcNulty氏に加え、性暴力被害者のための活動に携わる川本瑞紀弁護士がゲストスピーカーとして登壇しました。

川本氏は日本におけるオンライングルーミング被害の現状として、「オンライングルーミングは、交通事故のように誰でも被害にあう可能性があり、また女の子だけではなく、男の子にも起こりえます」と説明。被害を防ぐために、子ども自身、そして保護者が取るべき防止策として「日頃からコミュニケーションをとり、子どもが被害に遭ったときに相談しやすいように、日頃から被害者を責めるような言動はとらない。ソーシャルメディアを利用するときは、ペアレンタルコントロールのようなツールを利用することも有効」と述べました。また、実際に被害に遭ってしまったとき、McNulty氏は「落ち着いて子どもと話をし、『あなたは悪くない』と伝え安心させる。そして、ホットラインへ報告し警察へ相談するとともに、Take It Downを利用してください。」と語り、「そしてTake It Downのようなツールがあることを知っていることが大切なので、ぜひ必要としている人たちへの周知に協力してほしい」と呼びかけました。

Metaはこれまでに、10代の利用者が安全にプラットフォームを利用できるよう、子どもとその家族をサポートするための様々なツールを開発してきました。ペアレンタルコントロールツールや年齢に適した体験を提供するための年齢認証方法など、その数は30以上に及びます。オンライングルーミングに関連するリソースをお探しの場合は下記ページをご覧ください。