9月27日(米国時間)に開催した第10回目となるMeta Connectで、Meta創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグは、AIとメタバース技術の台頭が、私たちの物理的な現実世界とデジタルの世界での体験をどのように再構築しつつあるかを話しました。私たちを取り囲む物理的な世界もすばらしいですが、物理的な世界とデジタルの世界の組み合わせが、現実を形作っていきます。しかし、バーチャルな空間やコンテンツを利用する際、しばしばスクリーンに依存をしてしまい、その瞬間や物理的に一緒にいる人々から自分を引き離してしまうことがあります。
テレビの代わりに、どこにでも持ち運べるカスタマイズ可能なホームシアターができたり、あるいは、物理的に同じ部屋にいる友人と遠く離れた場所に住んでいる友人と一緒にテーブルを囲んだり、さらには会議でアバターの何人かが身体化されたパーソナリティを持つAIとしてさまざまなタスクの達成を手助けしてくれたり、物理的な世界とバーチャルな世界がシームレスに融合すれば、そのすべてが可能になります。
そのビジョンを現実のものとするために必要な基盤技術の多くは、すでに存在しているか、あるいはもうすぐというところまきています。複合現実(MR)は、デジタルのオブジェクトを物理的な現実世界に持ち込んだり、完全に没入した体験を作り出したりすることができます。またAIの進歩により、さまざまな方法で対話できるユニークなキャラクターを作ることができます。そして、未来のARグラスは、これらの技術をでスタイリッシュな形に組み込んでくれます。
Meta Connectで、マークは次の3つの面で進捗状況を共有しました。
Meta Quest 3は、世界で初めてとなる、複合現実(MR)に対応したメインストリーム向けのヘッドセットで、かつ最もパワフルなヘッドセットです。Meta Quest 3は、Meta Quest 2の2倍のグラフィック処理能力を備え*、Qualcomm Technologies社と共同で開発に携わった新しいSnapdragon XR2 Gen 2プラットフォームを搭載した世界初のデバイスでもあります。PCやゲームコンソール機、バッテリーパックも不要で、臨場感を壊すものは何もありません。ヘッドセットが利用者の物理的な空間を認識するので、周囲の物理世界を使って遊ぶことができます。また、複合現実を使えば、物理的な空間の限界がなくなるため、より世界が広がります。例えばリビングルームに『ストレンジャー・シングスVR』の裏側の世界への入り口を開けることもできます。
Quest 3では、好みや気分に合った豊富なゲームや体験のコンテンツ群に没頭することができます。今年、Quest 3には100以上の新規タイトルやアップグレードタイトルが登場し、その多くが複合現実を組み込んだものとなっています。Quest 3は後方互換性があるため、初日から500以上のVRおよびMR体験の膨大なライブラリにアクセスできます。 12月にはXbox Cloud GamingがMeta Questに登場し、何百もの高品質なXboxゲームを、どこにでも持ち運べて巨大な2Dスクリーンでプレイできるようになります。**
Meta Quest 3は74,800円から、10月10日(日本時間)に発売され、現在、事前予約が可能です。詳細はこちらをクリックしてください。
AIが大きな注目を集めた年であったとはいえ、多くの人はまだこの新しい技術を直接体験したことがありません。何十億もの人々がすでに使っているアプリに最先端のAIを組み込むことで、この状況を変える機会がきたといえます。
大規模言語モデルのLlamaエコシステムについてお話しましたが、Meta Connectでは画像生成モデルを発表しました。Emu(Expressive Media Universe エクスプレッシブ・メディア・ユニバースの略)は、テキストプロンプトを使用して、高品質で写真のようにリアルな描写の画像をわずか数秒で生成します。また、EmuとLlama 2の技術のおかげで、チャットで独自のカスタムAIスタンプを作成し、その場で会話を盛り上げることができます。
また、Instagramに近々登場する新しい2つのツール restyleとbackdropも紹介しました。この2つの新機能は、Emuのテクノロジーを使って写真を変身させたり、友人とAIが生成した画像を共同作成したりすることができます。Restyleは、ビジュアルのイメージやスタイルなどの説明を加えることで、元の画像を再考した画像をつくり出すことができます。つくりたい画像のイメージを、たとえば「水彩画」のような説明や「雑誌や新聞のコラージュ、破れたフチ」のようにより詳しいプロンプトを入力して作成できると考えてください。BackdropはMetaのSegment Anything Modelからの学習を活用しており、画像のシーンや背景を変更できます。「荘厳なオーロラの前にいる私」や「子犬に囲まれる私」のようなプロンプトが指示となり、説明した背景と、その前にメインの被写体の画像をつくることができます。Restyleとbackdropを使用して作成された画像にはAIが使用されていることを明示し、人間が生成したコンテンツと間違われる可能性を減らします。また現在、目に見えるマーカーと目に見えないマーカーなど明示方法についても試行しています。
この業界の他の多くの企業とは異なり、Metaは誰もが使用する単一の超知的AIが存在するとは考えていません。むしろ、情報の検索、コミュニケーション、エンターテインメント、ゲーム、仕事のサポートなど、さまざまな用途に合わせて異なるAIを使うようになると考えています。中小ビジネスであれ、クリエイターであれ、誰もが自分の目的に沿った独自のAIをつくりたいと思うこともあるでしょう。
だからこそ、MetaはAI Studioを構築しています。何かをやり遂げたり、あるいはただ楽しんだりすることをサポートするパーソナリティを持ったAIを作成するための新しいプラットフォームです。Metaの全製品を通じて、これらのパーソナリティを持つAIとインタラクションすることができます。AI がInstagramやFacebookにプロフィールを持ち、WhatsApp、Messenger、Instagram DMを通してチャットすることができます。最終的には、メタバースでもアバターとして具現化されるでしょう。
MetaはAI Studio を使って独自のパーソナリティを持ったAIをいくつか作成し、9月27日(米国時間)から米国でベータ版を公開します。
Meta AIは、人間のように会話できる新しいアシスタントです。Llama 2の技術に基づいたカスタムモデルを使用し、Bing検索とのパートナーシップを通じてリアルタイムの情報にアクセスすることができます。また、EmuがMeta AIに組み込まれているため、高品質で写真のようにリアルな画像を数秒で、無料で生成することができるようになります。
Metaはまた、より個性的で、独自の意見や興味など人格を持ち、交流するのが少し楽しくなるようなパーソナリティを持ったAIを作っています。Victorはやる気を起こさせるコーチであり、目標を達成するよう励ましてくれます。Dungeon Masterは、昔ながらのテキストベースの冒険に連れて行ってくれます。また、スーシェフ(副料理長)のMaxは、自身の冷蔵庫にある食材を適当に組み合わせて、その場でおいしいレシピを考えてくれます。
これらは、Metaがこれまでに開発を進めてきたパーソナリティを持つAIのほんの一部であり、ゲームや哲学からスポーツやファッションまで、さまざまな関心事にわたって、今後数週間のうちにさらに数種類のパーソナリティを持ったAIが登場する予定です。
Metaは、それぞれのAIを構築する機会を人々に提供したいと考えています。そのため、AI studioは最終的に、開発者がMetaのメッセージングサービスのためのサードパーティAIを構築できるようにする予定です。コードを書かない人でも独自のパーソナリティを持ったAIをつくることができるサンドボックスも構築しています。また、クリエイターが自分を表すパーソナリティを持つAIを構築し、コミュニティをエンゲージし、成長させることができるように取り組んでいます。そして、企業が顧客と対話し、取引や顧客サポートを支援するようなパーソナリティを持つAIを作成できるようにしています。
生成AIはそれ自身が新たな課題をもたらします。Metaはこの現実にしっかりと向き合うために多くの時間と労力を費やしています。これには、Metaの安全性と責任に関するガイドラインに適合するようにモデルを訓練し調整すること、Metaのモデルがより安全で包括的であることを確認するために外部の専門家や社内チームと、サイバーセキュリティ対策の演習を目的としたレッドチーミングを行うこと、不適切な会話に関するガードレールをプログラムすること、そしてこれらのモデルがどのように機能するかを人々がよりよく理解できるようにシステムカードを公開することなどが含まれます。
次世代のAIは、幅広い体験とインタラクションを可能にし、人々やビジネス、そしてクリエイターが、Metaの製品をどのように利用するかも変革していくでしょう。Metaは、すべての人がこういった体験やインタラクションを楽しめるよう、今後もイノベーションを続けてまいります。詳細はこちらをご覧ください。
「Ray-Ban | Meta Smart Glasses Collection」を発表
EssilorLuxottica社とのパートナーシップにより開発された次世代スマートグラスは、携帯電話を取り出すことなく、常につながった状態でその瞬間を撮影することができ、その体験を友人や家族、世界中に簡単に共有できるように設計されています。
あらゆる面で初代のモデルからアップグレードしており、初めてスマートグラスからFacebookやInstagramの友人やフォロワーに直接ライブストリーミングが配信できるようになりました。
これらはまた、Meta AIを組み込んで発売される最初のスマートグラスでもあります。***まずは米国のみでベータ版の対応になりますが、最先端のAIをハンズフリーで、どこにいても、何をしていても、リアルタイムに使うことができます。そして来年には、スマートグラスが利用者の見ているものを理解し、サポートできるよう、無料のアップデートを展開する予定です。今目の前にある建物が何なのかを知りたい、あるいは標識の翻訳をその場で知りたい時でも、Ray-Ban Meta スマートグラスがその答えを教えてくれます。
スマートグラスが将来的にも重要なプラットフォームになるのは、物理的な世界でデジタルホログラムを自然に見ることができるからだけではなく、利用者が見ているものをAIに見せ、聞いているものをAIに聞かせることができるため、より便利なものになっていくからです。
「Ray-Ban | Meta Smart Glasses Collection」は米国時間10月17日に299米ドルから発売され、9月27日(米国時間)よりmeta.comとray-ban.comで事前予約が開始されます。詳細はこちら(英語のみ)からご覧ください。※日本での販売はございません。
Metaは、世界がかつて見たことのないような、新しい技術を提供することに懸命に取り組んでいますが、同時にその進化した技術に誰もがアクセスできることを可能にすることにも力を注いでいます。そして、何百万、何十億という人々に、手頃な価格で未来をもたらすためのイノベーションを提供することにこそ、Metaは最注力しています。
道のりは長いものとなるかもしれませんが、開発者コミュニティや利用者のみなさまとともに歩んでいくことを楽しみにしています。
*Qualcomm Snapdragon XR2 Gen 2プラットフォームとSnapdragon XR2 Gen 1プラットフォームの比較。
**Xbox Game Pass Ultimateの加入と対応コントローラー(別売)が必要です。ストリーミングには制限があり、サーバーの空き状況や待ち時間が異なる場合があります。特定の地域でのみ展開。
***音声機能は英語、イタリア語、フランス語でご利用いただけます。選択した音声機能は英語でのみ利用可能です。音声機能と機能は言語によって異なる場合があります。当初、Meta AI機能は米国でのみ利用可能です。
****Ray-Ban Meat Smart Glasses Collectionは、米国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパをはじめ15カ国で発売されます。