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Instagram協力、10代が美しさの多様性について学ぶ授業で西村宏堂氏や久保友香氏が伝えたメッセージとは

3月30日(日本時間)、10代のためのクリエーションの学び舎「GAKU」が実施し、Instagramが一部授業をプロデュースしたプログラム「我美と作美(わびとさび)」が終講しました。

1月5日から3カ月に渡って行われた全7回の授業には、メイクアップやアートに興味を持つ14歳から19歳までの生徒11名が参加。メイクアップの基本的な技術を学び、仮面やウィッグ、化粧を用いて作品を制作するだけでなく、社会が美しさの概念に与える影響や、固定概念に囚われず多様な美しさを表現する重要性を考えることで、生徒たちが自分にとっての「美」を表現する場となりました。

また、SNSが10代の若者が考える美しさの概念に大きな影響を与えていることから、「第2回 美しさと社会」「第3回 美しさと多様性」「第7回 美しさの発信」の3回をInstagramがプロデュースし、メディア環境学者の久保友香氏、メイクアップアーティスト/僧侶の西村宏堂氏、Instagram広報の市村怜子が講師として登壇しました。

美しさと社会:これからの時代、どのようなバーチャル上の外見を作りたいか

メディア環境学者の久保友香氏が講師を務めた第2回「美しさと社会」では、これまでの歴史を振り返りながら、現在までの美の変遷、そして未来で変わりゆく多様な美の変化と背景について考えました。いつの時代にも人が作っている「作美」があること、時代ごとに美しいとされる見た目は変化しているという気づきを得ました。また、久保氏が考案した「オリカオ・メソッド」にも挑戦。自分の顔写真に折り目を付けたり傾けたりして眺めることで、浮世絵の顔に近づけ、当時の「美」を体験しました。

さらに久保氏は、リアルな外見と、写真の上のバーチャルな外見があり、後者の見せ方もここ25年で大きく変わっていると説明。歴史的に見ると、バーチャルな外見を見せていたのは、芸能人や歴史で描かれる貴族や遊女など特別な人であったが、Instagram上で見せている自分と現実の自分があるように、現代では誰でもバーチャルな外見を持ち、色々な人に見られるようになったと解説しました。

カメラ付き携帯やインターネットの普及によって写真を撮影したり共有することが習慣化するなど、テクノロジーの進化がバーチャルな外見の見せ方に与えた影響についても言及し、たとえば2000年代は「目」単体を盛ることが多かったのに対し、2010年代からは顔だけでなく全身、あるいは背景まで含めたシーンの見せ方を考えるように、写真における美意識が移行したと述べました。最後に「未来ではメタバースなどバーチャルな外見を2次元だけでなく3次元でも持つことが可能になる」と述べ、どんな外見を持ちたいかを生徒と共に考えました。

美と多様性:ありのままの自分を表現することは、今自分がここにいる意味を見いだせる

第3回「美と多様性」では、メイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂氏が登壇しました。授業前半では、社会でよく見る「美しさ」の中でおかしいと思うことや、美しいと思うけれど人に言いづらいと思うもの、芸術を通して表現したいものについて、生徒一人一人が発表しました。

生徒からは「完璧なことが美しいと固定されていると感じる」「一人一人が考える美しさがあるが、自分が思っている美しさでないものを批判するのはおかしいと思う」などの意見が上がりました。また、自分が美しいと思ったことを友達など周囲に共有したとき、相手に理解してもらえなかった経験から、人には言いづらくなったという声も聞かれました。一方で、「一般的に決められている美しさだけでなく、そうでないと思われていることも魅力的に表現してみたい」「周りにとらわれずに自分を表す作品を作り、芸術を通して表現したい」と語る生徒もいました。

西村氏は、社会の流れや経済的、歴史的な観点から作り出された「美しさ」があり、それを押し付けてくる人もいるかもしれないが、惑わされないでほしいと語りました。自身の体験をもとに、おかしいと思ったことに疑問を持つこと、自分が美しいと思ったことを表現することに不安を感じることもあるかもしれないが、必ずわかってくれる人がいるので勇気を持って発信してほしい。そして、発信している人を応援してほしい。とメッセージを贈りました。

また、授業後半には「わたしが提案したい美しさ」をテーマに、生徒が事前に作成した作品を発表。絵や洋服、ヘアメイク、言葉など様々な表現が登場し、生徒同士が互いの作品や視点について感想を言い合う時間を設けることで、皆が積極的に参加するインタラクティブな授業となりました。

美しさの発信:次世代のクリエイターへ向け発信する時のヒントを紹介

「我美と作美(わびとさび)」授業の締めくくりとなる第7回「美しさの発信」では、Instagram広報の市村怜子が、次世代のクリエイターを目指す生徒たちに、クリエイターとして発信する時のヒントを解説しました。

授業の冒頭では、生徒それぞれが自分が好きなInstagramアカウントとその理由を発表。海外のメイクアップアーティストをフォローして技術を学ぶ参考にしている、和紙メーカーのアカウントを見て製作過程を動画で楽しんでいる、ストーリーズで推しの日常生活を見ているなど、生徒の好きなアカウントは十人十色で、自分の好きなことと繋がるためにInstagramを利用し、物理的には会うことがない世界に触れたり、動画やライブ配信を通じて交流したりと、10代のリアルなSNSとの付き合い方が垣間見える結果となりました。

その後、市村から、将来メイクアップやアートを通じて自分の考える美しさを発信していく生徒たちに向けて、クリエイターとしてInstagramを活用する際のヒントを紹介しました。利用者が自身のクリエイティビティを表現するためのツールであることは、Instagramのサービス開始当初から変わらない根幹であると説明。同時に、短尺動画やライブ配信など時代の変化に合わせて導入している機能を効果的に活用したり、ファンと双方向のコミュニケーションを意識したりすることで、クリエイターとして活躍の幅が広がるとしました。

後半には、Instagramを含むSNSの良い所・悪い所についてディスカッションを実施。「遠くにいる人とも繋がれること」「多くの情報を得られるし、欲しい情報のみを取捨選択できること」などの意見が上がった一方で、「色々な人と繋がれるからこそ、誰でも簡単に人を傷つけてしまうことがある」「他人と比較して自己肯定感が下がってしまうことがある」といった意見が出ました。ディスカッションを受け、他人と自分を比較してしまう時は「いいね!」の数を非表示にする、傷つくようなコメントやDMが来たら相手を制限するなど、ネガティブな体験から自分を守るために知っておくべき機能について市村が紹介しました。

Instagramを発信に活用することの利点、そして懸念や対処法について学んだ生徒たちからは、「SNSは自分の名刺代わりになるが、良い面だけを投稿しがち。どのように活用し、現実とのバランスを保っていけばよいか」といった質問もあり、市村は「どんな道具にも良い所・悪い所がある。SNSも同じなので、自分を守る方法をきちんと知った上で、試行錯誤しながら自分にとっての最適なバランスを見つけていくことが大事」とメッセージを送りました。

各授業の様子はGAKUのウェブサイトからもご覧いただけます。

https://gaku.school/report_genre/wabi_sabi/ 

今後もInstagramは、若年層に安心安全にプラットフォームを利用してもらうため、SNSとの付き合い方について考える機会や、啓発プログラムの実施に取り組んでいきます。


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