Instagramは8月11日（米国時間）、利用者を誹謗中傷から守る以下の新機能を導入することを発表しました。
- コメントやダイレクトメッセージ（DM）を送れるアカウントを一時的に非表示にすることで、急激に注目を集めた利用者が望まないやりとりを防ぐことができる「抑制」機能
- 誹謗中傷を含むDMを分類できる「非表示ワード」機能を今月末までに全世界で導入
当社には、誰もが安心してInstagramを利用できるようにする責任があります。ヘイトスピーチやいじめは許容せず、該当するコンテンツやコメントは発見する度に削除しています。また、そもそもそのような体験をする必要がないよう、利用者を守りたいと考えています。そのために、専門家やコミュニティからのフィードバックに常に耳を傾け、Instagramにおける体験を利用者自身が管理しやすくしたり、望まないやりとりから身を守ったりするための機能を継続して開発してきました。
望まないコメントやダイレクトメッセージを簡単に防ぐ「抑制」機能
誹謗中傷コメントやDMが殺到している、もしくはそのような状況が予想される利用者を守るため、「抑制」機能を全世界の利用者を対象に導入します。この機能をオンにすると、自身をフォローしていないアカウントや、最近フォローしたばかりのアカウントから届くコメントや一時的に非表示にしたり、DMを「リクエスト」に自動で分類することができます。抑制機能をオンにしておく期間を変更することもできます。
この機能は、クリエイターや著名人などから「知らない人から突然コメントやDMのリクエストが殺到することがある」という声を聞いたことをきっかけに開発しました。投稿が話題になって急に注目されたクリエイターに応援のコメントが寄せられるなど、多くの場合はポジティブなものですが、時には当人が望まないコメントやメッセージが数多く届くこともあります。そのような状況に置かれている、もしくは置かれると予想される場合、今後は「抑制」をオンにして回避することができます。
当社の調査では、著名人に対する否定的なコメントなどの大半は、実際にそのアカウントをフォローしていない、もしくはフォローしたばかりの利用者が、その場の雰囲気に乗じて投稿していることが分かっています。先日のUEFA EURO 2020（サッカー欧州選手権）の決勝戦後、特定の選手に対する人種差別的な誹謗中傷が急増するという許しがたい状況が起きましたが、このような傾向が顕れた例だと言えます。一方でクリエイターからは、ファンからの意見に耳を傾け、関係性を築くために「コメントやメッセージを完全にオフにしたくない」というフィードバックもありました。新機能を使うことで、以前からのフォロワーとのやりとりは維持しながら、誹謗中傷などを目的にコメントやDMを送ってくる利用者との接触を抑制することができます。
「抑制」機能は、設定の「プライバシー設定」内から、いつでも好きなときにオンとオフの切り替えができます。また、利用者が受け取るコメントやDMが急増したことを検知し、「抑制」をオンにすることを促す機能の導入も検討しています。
ダイレクトメッセージにおける誹謗中傷対策
DMリクエストによる誹謗中傷から利用者を守るために、2021年4月に一部の国で「非表示ワード」機能を発表しました。オンにすると、中傷的な単語やフレーズ、絵文字を含むリクエストは自動的に非表示のフォルダに分類され、利用者が望まない限り開ける必要がなくなります。また、スパムなど質が低い可能性が高いリクエストにも適用されます。
この機能は今月末までに日本を含む全世界の利用者に提供する予定です。フォロワー数の多いアカウントには、DMのフォルダなどに同機能を利用することを促すメッセージを表示し、利用を呼びかけていきます。
オンライン上の誹謗中傷に対する継続的な取り組み
今回導入する新機能が、人種差別、性差別、同性愛嫌悪を含むあらゆる種類の誹謗中傷を目にすることがないよう利用者を守ることを願っています。悪質なコンテンツをより迅速に発見および削除し、投稿したアカウントに責任を課すための仕組みを改善することをはじめ、当社がすべきことはまだ多くあると認識しています。Instagram上のヘイトスピーチを無くすため、あらゆる対策を講じて尽力していきますが、これらはひとつのプラットフォームよりも大きな問題でもあります。Instagramでは、引き続き人種的正義と公平性にフォーカスした組織に投資し、ヘイトスピーチを根絶するために業界や政府、NGOなどと協力していきます。これらの取り組みは今後も継続し、進捗状況についてアップデートを共有していきます。