Facebookでは広告の透明性を高め、表示される広告についての詳しい情報を提供できるよう取り組んでいます。この度、Facebookはアップデートされた広告ライブラリを公開します。広告ライブラリにはFacebookのプラットフォームにあるすべての広告がまとめて表示されます。また、ページにおいて透明性情報が見やすくなるよう、Facebook APIへのアクセスを拡大し、より多くの人々が政治や社会問題に関連する広告を分析できるようにします。同時に、ニュースパブリッシャーに対しては米国の政治または問題に関連する広告へのラベル付けを免除します。
新しくなった広告ライブラリと報告について
昨年6月、Facebookは広告ライブラリ(米国での旧名称はAd Archive)を公開しました。広告ライブラリを利用すると、FacebookやInstagramで配信された政治や社会問題に関連する広告の詳細を確認できます。広告ライブラリでは、広告を見た人、広告の消化金額、インプレッション数に関する情報を確認でき、広告は7年間、広告ライブラリにアーカイブされます。この度アップデートされた広告ライブラリでは、すべての広告と、広告を配信しているページについての情報がより簡単に確認できるようになりました。改良点には以下が含まれます。
- 政治や社会問題に関連する広告だけでなく、すべてのページが配信しているアクティブな広告が表示されるため、Facebookで配信されているすべての広告を1か所で確認できるようになりました。この情報は以前はページの基本データセクションおよび広告セクションにのみ表示されていました。
- 広告ライブラリでは、以下のようなページに関する情報も追加されます。
- ページの作成日、ページの統合履歴、ページ名の変更
- ページの管理者の主な居住国(大規模なターゲット向けの広告または特定の国における政治や社会問題に関連する広告である場合)
- 広告ライブラリレポートが現在利用可能な政治や社会問題に関する広告について、広告主の消化金額情報。これには、通算消化金額と過去1週間の消化金額が含まれます。この情報はこれまで広告ライブラリレポートでしか確認できませんでした。
- 広告ライブラリの検索機能が改良されました。利用者がFacebookにログインしていれば検索の履歴が保存されるようになり、キーワードだけでなくページでも検索できるようになりました。
- 広告ライブラリから広告を報告できるようになりました。
広告ライブラリレポートも改良されました。5月中旬以降は週ごとではなく毎日、政治や社会問題に関連する広告の広告ライブラリレポートが更新されます。またどなたでも、週間、月間、四半期別のレポートをダウンロードできるようになります。
ページ情報の確認方法が充実
広告ライブラリ以外でも、ページ内で役立つ情報が見つけやすくなります。各ページの[ホーム]タブに、[ページの透明性]セクションが追加され、そこからページの作成日、ページの統合履歴、ページ名の変更、特定のページの管理者の主な所在国など、広告ライブラリに追加されたページ情報が確認できます。以前はこれらの情報を見るには、[情報と広告]をクリックする必要がありました。
APIアクセスの拡大
Facebookが単独で公正な選挙を守ることはできません。そこで、広告ライブラリAPIへのアクセスを拡大し、多くの人が政治や社会問題に関連する広告を分析できるようにしました。広告ライブラリAPIにアクセスするには、Facebookの本人確認プロセスを完了し、Facebookの開発者アカウントを作成して、Facebookのプラットフォームの利用規約に同意します。本人確認プロセスを通じて、弊社は本人情報の真正性を確認できます。このプロセスは数週間かかる場合があります。
広告ライブラリにおける米国のニュースパブリッシャーに対する免除
11月に発表したように、弊社では米国在住者をターゲットにするニュースパブリッシャーに対し、広告承認プロセスや政治や社会問題に関連する広告のラベル付けの義務付けをなくします。すべてのページのすべてのアクティブな広告が広告ライブラリに表示されますが、ニュースパブリッシャーによる広告は政治や社会問題に関連する広告としてラベル付けされなくなり、広告ライブラリでの絞り込み項目にニュースが含まれなくなります。Facebookはサードパーティの業界団体からのメンバーリストと共に、ニュースページのインデックスと追加の条件を利用して、免除されるニュースパブリッシャーを特定します。
広告の透明性の向上と2019年の選挙の保護
これまでの2年間、Facebookは公正な選挙に対する脅威の発見と対処に取り組み、大きな進歩を遂げてきました。この取り組みの中で、安全性とセキュリティに重点を置いたチームを全世界で3万人強に拡大し、新たなファクトチェックパートナーと提携し、ダブリンとシンガポールで選挙運営センターを立ち上げました。また、米国、英国、ブラジル、インド、さらに主要な選挙を控えたウクライナやイスラエルで広告の透明性ツールを公開しました。
そして今回は、欧州議会選挙に先立ち、EUで広告の透明性ツールを公開します。EUの広告主が欧州議会選挙またはEU内の重要な問題に関連する広告を配信するためには、それぞれの国で承認を受ける必要があります。またその広告には「PR」のラベルに免責情報を表示し、広告の責任者を明示する必要があります。これらの広告も7年間、新しい広告ライブラリにアーカイブされます。
今後の展望
広告の透明性と真正性の新しい基準づくりに取り組んでいきます。政治や社会問題に関連する広告のための透明性ツールを、6月末までに全世界で公開していく予定です。Facebookの広告やページの情報公開を拡大していくことは、Facebookやビジネスに責任を持たせることにつながります。これは、利用者の皆様およびビジネスの双方にとって有益であると考えています。
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