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開発者カンファレンス「F8」2018:2日目発表内容まとめ

2018年5月2日(米国時間)、Facebookの開発者カンファレンスF8 2018は2日目を終え、人工知能(AI)、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)の3つの分野における長期的な投資に焦点を当てました。冒頭の基調講演では、Facebook最高技術責任者(CTO)のマイク・シュローファー(Mike Schroepfer)が、その次にエンジニアリング・ディレクターのスリニバス・ナラヤナン(Srinivas Narayanan)、リサーチサイエンティストのイサベル・クローマン(Isabel Kloumann)、そしてOculus コアテクノロジーの製品管理責任者のマリア・フェルナンデス・グアハルド(Maria Fernandez Guajardo)が登壇しました。

世界中のより多くの人々にコネクティビティを提供することから、AIにおける最先端の研究成果、そしてAR / VRにおけるまったく新しい経験の創出まで、Facebookは人と人をより身近にし、安全を維持できるよう、新しいテクノロジーを構築し続けます。

人工知能(AI

FacebookはAIを基盤技術と考え、科学者主導の研究を通じて、最先端技術を進歩させるために多大な投資をしています。F8 2018の2日目となる本日、35億件もの一般入手可能な写真のデータセットに対し、人間による注釈の代わりにそれらの写真にハッシュタグを使用するという画像認識システムの訓練に成功したという、人工知能研究チームとエンジニアリングチームが直近の大きなブレークスルー(英語)を共有しました。この新しい手法により、研究者は作業をより迅速に行うことができ、実際に、既に広く使用されているベンチマークImageNetにおいて、最高値となる85.4%の精度を記録しました。私たちのポリシーに反するコンテンツを見極め判断することの改善に活用をはじめています。

マイク・シュローファー(Mike Schroepfer)

この画像認識作業は、AIの研究、生産ツールであるPyTorchおよびCaffe2、ONNXによって作動しています。これらのツールの機能を組み合わせ、AIの研究コミュニティの方々に、幅広いAIプロジェクトを構築するための迅速でシームレスな方法を提供できるよう、本日、オープンソースのAIフレームワークの次期バージョンである「PyTorch 1.0」を発表しました。PyTorch 1.0の技術は、Facebookで最も一般的に使用されている48の言語を対象に1日あたり約60億回のテキスト翻訳を実行するなど、既に大規模に使用されています。VRの領域では、アバターをよりリアルに動かすための研究にこれらのツールが役立っています。


PyTorch 1.0のツールキットは、数ヶ月以内にベータ版として提供される予定で、Facebookの最先端のAI研究ツールを誰もが利用可能になります。開発者はこのツールキットを用いて、人々が移動する際にポリゴンメッシュのオーバーレイを完全に配置することができるDensePoseのようなコンピュータビジョン技術を活用でき、例えばARカメラのアプリケーションなどに使用されます。

オープンソースの取り組みであるELF OpenGoなど、本日発表したAIに関する情報の詳細はEngineering Blog(英語)をご覧ください。また、アプリケーション制作に必要なツールおよびコードはFacebook.ai/developersで入手可能です。

拡張現実(AR)/仮想現実(VR)

ARおよびVRにおけるFacebookの進展は、物理的な距離を問わずにより良い共有体験をつくり出すための一連の研究領域から引き出されています。実物のように見える環境の記録から次世代のアバターの制作まで、AR / VR上での体験はまるで現実かのようなレベルに近づいています

Facebookの研究者は、物理的な空間の3D再構成を生成できるプロトタイプシステムを開発し、非常に納得のいく結果を得ることができました。

※現実のビデオと3D再構成とを並べて比較したビデオはこちらをご覧ください。

より没入感の高いAR / VRを作成するためには、現実的な環境はもちろんのこと、よりリアルなアバターも重要です。Facebookでは、写真のようにリアルなアバターをコンピュータが生成するための最先端の研究に取り組んでいます。参考例はこちらのビデオをご覧ください。

コネクティビティ

AIおよびAR / VRの進展が身近なものとなるには、強力なインターネットへのアクセスが不可欠です。しかし、現在、世界では38億人もがインターネットにアクセスすることができません。世界中でのコネクティビティを向上させるために、接続コストの削減とキャパシティ、パフォーマンスの向上を目指す次世代技術の開発に注力しています。ウガンダでは、現地の通信事業者と提携し、新しい回線を地域に導入します。完成後には、300万人以上の人々をカバーするバックホール接続を提供し、近隣諸国との将来の国境を越えた接続を可能にします。一方、Facebookとサンノゼ市は、Terragraphがサポートする高度なWi-Fiネットワークのテストを開始し、ハンガリーとマレーシアでも同様の試験をまもなく開始します。より革新的で効率的なインフラストラクチャーのソリューションと展開にむけ、テレコム業界の何百ものパートナーと協業しています。また、AIなどの分野における進め方と同様に、誰もが使用し、また学習できるように、それらのソリューションを共有しています。

本日の発表についての詳細は、開発者ブログ(英語)、エンジニアブログ(英語)、Oculusブログ(英語)、Messengerブログ(英語)、Instagramプレスセンター(英語)でご覧いただけます。また、「F8」2018 全ての基調講演のビデオはFacebook for Developersからご覧いただけます。追加の詳細情報と製品イメージはF8のプレスページをご確認ください。2日目に配信されたFacebook ライブ動画はこちらよりご覧ください。



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