今年4回目を迎えるVRの開発者やクリエイター向けカンファレンス 「Oculus Connect 4」が、2017年10月11日(米国時間)から2日間、カリフォルニア州サンノゼにあるマッケンナリー・コンベンションセンターで開催されました。
カンファレンスでは、VRをより楽しむための新しいハードウェアやソフトウェアなどが紹介されたほか、株式会社フジテレビジョンが、FacebookのReact VRを活用した、バーチャル旅行を体験できるVRアプリケーション「HAKONE WEB TRIP」を発表しました。
「Oculus Connect 4」で発表された内容
- Oculus Go発売へ
スマートフォンもケーブルも必要としないワイヤレスなハードウェアです。これまでにないスタンドアローンヘッドセットで、2018年初めに、199米ドルで発売されます。Oculus Goは、誰もがVRの世界を体験することができる最も簡単な方法になります。これまでVRを使ってゲームをしたり、映画を見たり、友人とコミュニケーションを取ったりしたことがない人をターゲットにしています。 - Riftが新価格へ
RiftとTouchコントローラーのセットはOculus.com (http://oculus.com/)で、旧価格63,800円から、新価格50,000円(送料込み)になりました。 - ピクサーとマーベルによる新しいコンテンツの提供
ピクサーが強みとする映像と魔法のようなストーリーをVRコンテンツとして初めて楽しむことができるようになります。映画の上映に合わせ、11月15日(米国時間)からOculus Rift、11月22日(米国時間)からはGear VRで体験することができます。また、マーベル・コミックが刊行するコミックに登場するマイティ・ソーが、新キャラクターとしてVRゲーム内に登場します。 - より簡単にアプリの制作とVR経験が可能に
新しい開発者向けツールの提供によって、Oculusのプラットフォーム上で、より簡単にアプリの制作や、ソーシャル上でのVR経験が可能になります。 - Oculus Riftの新しいソフトウェア、「Dash」と「Oculus Home」が登場
「Dash」は、パソコンのデスクトップやアプリのツールバーを、VR空間内に出現させる機能です。Touchのコントローラーを使用して実際の手で操作するようにブラウザの操作やアプリの選択を行うことが出来ます。「Oculus Home」は、ヘッドセットを被った際に見えるホーム画面をカスタマイズし、思いのままの空間を作る事が出来る機能です。景色、デコレーションの追加、そしてインタラクティブな機能を自由に選択し、自分だけのホーム空間をデザインできます。 - 360度ライブ動画をVRで経験
Facebookの360度ライブ動画を「Facebook Spaces」というソーシャルVRアプリ上で楽しむことが可能になります。利用者は「Facebook Spaces」で360度ライブ動画を視聴することで、まるでその場所でその場面を見ているかのように感じることができるようになります。 - Santa Cruz プロジェクト
Santa Cruzは、ワイヤレスで動作するポジショントラッキングが可能なスタンドアローンヘッドセットです。過去数年に渡り、自分の手がVR空間にあるように感じさせる「ハンドプレゼンス」を実現する、6軸の自由度(ポジショントラッキングが可能な)コントローラーをスタンドアローンヘッドセットに適応させる取り組みを続けてきました。この実現によって、スタンドアローンヘッドセットでもRift向けコンテンツのような没入感のある体験が可能になりました。Santa Cruzは来年、開発者向けにローンチします。
「Oculus Connect 4」で行われたFacebook創設者兼CEOのマーク・ザッカーバーグとVPVR(Vice President Virtual Reality)を務めるヒューゴ・バッラの基調講演は、こちらよりご覧ください。そのほか、セッションの詳細についてはこちら、またプレスキットについてはこちらからご確認ください。
バーチャル旅行を体験できるアプリ「HAKONE WEB TRIP」
今回の「Oculus Connect 4」では、アジア圏唯一の開発パートナー事例として株式会社フジテレビジョン(以下、フジテレビ)の取り組みが発表されました。フジテレビはFacebookのReact VRを活用し、バーチャル旅行を体験できるVRアプリケーション「HAKONE WEB TRIP」を技術検証用に開発しました。これは、箱根周辺のバーチャル旅行を体験できるアプリケーションで、利用者はパソコンやスマートフォンのWEBブラウザ上で、自由に地図上の出発地や目的地を選択し、各観光地の360度映像を視聴・体験することが可能です。
フジテレビが活用したReact VRとは、Facebookが開発・提供するWebアプリケーション用のフレームワークです。VRエンジニアでなくても簡単に習得が可能で、ゲーム業界を中心とした限られたエンジニアが開発していたVRコンテンツ制作を容易にします。また、オープンソースのため、誰でも無料で使用することができます。そのほか、アプリの利用者は、Oculusのヘッドギアを使用して体験するのはもちろん、ウェブ、Facebookのフィード上でも視聴することができます。
FacebookはこのReact VRを通じ、より楽しみたくなるコンテンツを利用者に届けることで、コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現していきます。