このたび、パートナー企業や業界がFacebookの提供するインサイトをより明確に、確実に理解できるよう、広告指標をアップデートします。ビジネスを成長させるためにFacebookのサービスを利用している数百万社のパートナー企業にとっては、信頼のおける指標を利用できることが重要です。サービスを利用する個人や企業のニーズに応えるため、Facebookの製品は進化を続けています。その一部である広告指標も進化しています。今後の目標は、この指標について定期的にお知らせすることで、パートナー企業が最適なインサイトを活用して、最善のサービスを顧客に提供することへ専念できるようにすることです。
サードパーティによる検証の増加
サードパーティによる検証には、Facebookがパートナー企業に提供するビジネス価値を証明する力があると確信しています。またFacebookには世界的に業界をけん引するcomScore、Moat、Nielsen、Integral Ad Science (IAS)らと連携してきた長い実績があります。現在は、Facebookがパートナー企業に提供しているレポートを検証するために、サードパーティによる追加のレビューを導入しようとしています。また、Moat、IAS、comScoreなどの閲覧可能性検証パートナーにより、表示インプレッションデータを検証できる機能も導入します。この統合により、広告が画面上に表示された時間を独自に測定したいというパートナー企業からのご要望にお応えします。
パブリッシャー向けには、Nielsenと連携し、NielsenのDigital Content Ratings (DCR、デジタルコンテンツ視聴率)にFacebook動画とFacebook Liveの視聴率を含めることになりました。これにより、パブリッシャーは、動画の指標についてサードパーティによる検証を利用できるようになり、NielsenのTotal Audience Measurement (総合的広告効果測定)でデジタルとテレビの指標を比較できるようになります。
クライアントと協力してより多くの効果測定ソリューションを開発
Facebookの世界規模のクライアント会議は、製品の方向性や効果測定に対するアプローチなどを形作るにあたり、大きな助けとなっています。コンバージョンリフトやモバイルでのブランドリフト効果測定などのイノベーションは、クライアント会議のメンバーと直接言葉を交わすなかで生まれました。この会議の貴重な意見と、業績につながる効果測定の標準を求める声の高まりを受け、Facebookは現在、会議のメンバーやその他の企業、測定会社の幹部などと協力し、新たに広告効果測定会議を立ち上げようとしています。詳細は今後数週間のうちに発表します。
広告指標に関するお知らせを定期的に、よりわかりやすく
広告指標が明確で、Facebook製品の真価に合わせて最新のものであることを保証するために、新たに内部審査プロセスを定めました。このプロセスの一環として、今後は製品アップデートについてより定期的にお知らせや説明を行っていきます。お知らせや説明には次のような複数の方法があり、一部はすでに実施されています。
- 製品内の定義。これまでどおり、パートナー企業が広告を購入したりレポートにアクセスする製品内で最新情報をお届けします。今後も、有意のアップデートが行われれば、製品内でわかるようにします。
- Facebookのクライアント担当チームを通じて。パートナー企業に影響がある広告指標の重要なアップデートについては、パートナー企業担当チームを通じて直接お知らせします。
- 指標に関する情報のブログ。広告指標に対して行う有意のアップデートについてオープンにすることは重要です。そこで指標の改善に関する情報を定期的に発信する新しいチャンネルを開設します(このブログはニュースフィードに関する情報のブログと似た形になります)。
以下は指標に関する情報のブログシリーズの第1回の投稿で、アップデートの最初のバッチをおおまかに説明しています。以下に述べる過小報告または過大報告される可能性がある指標の問題で、Facebookがクライアントに請求することはありません。
指標に関する情報
ページインサイト – オーガニックリーチ
ページインサイトにバグが見つかりました。ページダッシュボードの1つで、7日間または28日間のオーガニックページリーチのまとめを示す数値が、計算ミスにより1日のリーチを単に合計したものになっていました。正しくは、該当する期間に繰り返しアクセスした人を重複排除した値になります(以下のスクリーンショットの赤丸部分を参照)。しかし、すべてのグラフ、1日のリーチと通算リーチ、投稿ごとのリーチ、エクスポートされたリーチデータとAPIリーチデータ、[リーチ]タブのすべてのデータなど、ページインサイトのダッシュボードに表示されているリーチデータの大半(以下のスクリーンショットの緑の部分)には影響がありませんでした。概要ダッシュボードにある重複排除後の7日間のまとめの数値は平均で33%少なくなり、28日間の場合は55%少なくなります。他のフィールドのデータには影響ありません。このバグは5月から発生しており、今後数週間で解消されます。有料リーチには影響ありません。
またFacebookでは、ページのオーガニックリーチについて、有料リーチで行ったのと同等の改良を加えています。これにより、リーチ数は閲覧可能なインプレッションに基づき測定されるようになりました。ページではこれまでリーチの定義を、ニュースフィードをリフレッシュした人とその人のフィードに表示された投稿としてきました。有料の広告レポートでは定義をより厳密にし、投稿が利用者の画面に表示された場合(「閲覧可能なインプレッション」)のみをリーチとして数えていました。より厳密な定義では、報告されるリーチ数は平均で20%少なくなると推定されます。この変更を行った際には、製品内と指標に関する情報のブログで、すべてのページに対し最新情報を提供します。変更は今後数か月以内に行われる予定です。
動画 – 100%再生���測定
パートナー企業がFacebookに動画をアップロードすると動画の全編が記録されますが、動画が利用者のデバイスに配信されるときは、動画の長さが数分の1秒ほど短くなったり長くなったりすることがあります。この食い違いはときどき、オーディオトラックとビデオトラックがぴったりと合わない場合に起こります。これは動画プレイヤーやデバイスの違いによるものです。ある人が自分のデバイスで動画を最後まで見たときに、音声の再生が少し長く続いたとします。この問題が起こると、[動画の100%再生回数] ([動画が100%まで再生された回数]から名称変更)という指標が過小評価されていました。Moatがこれを発見し、報告してくれました。現在は、この食い違いに対処するために、動画の長さの読み取り方を変更しています。この変更により、[動画の100%再生回数]の数値が35%ほど増加する可能性があります。たとえば、[動画の100%再生回数]が1%だった場合は、1.35%になるということです。
インスタント記事 – 滞在時間
インスタント記事とは、どのようなパブリッシャーでも、すばやく表示されるインタラクティブなモバイルコンテンツをFacebook上に作成できる機能です。また、コンテンツがどのように消費されているかをパブリッシャーが把握できるインサイトもご用意しています。このたび、昨年8月以降、記事ごとの平均滞在時間が平均で7~8%も過大評価されていたことが判明しました。原因は計算ミスでした。1つの記事の総滞在時間を全表示回数で割るべきところを、滞在時間の棒グラフを平均する形で計算していました。この問題は解決されました。
アプリ用Analytics – 参照
アプリ用Facebook Analyticsのダッシュボードにある[参照]という指標に計算ミスがありました。この指標は、アプリやウェブサイトを経由して利用者が作成したすべての投稿を評価するためのものです。本来はアプリやウェブサイトに移動することになったクリックの数を測定するはずでしたが、他にも、それらのアプリやウェブサイト経由の投稿のクリック(写真や動画を見るためのクリックなど)を合わせて測定していました。この問題は解決に向けて作業しているところです。現在報告されている参照数のうち、平均で約30%が実際にFacebook上のコンテンツを消費するためのクリックです。この指標のパワーユーザー(ダッシュボードのこのデータをもっとも頻繁に利用するトップアプリ)に関しては、参照数は平均約6%の過大評価となっていました。Facebookの広告レポートツールに表示されるものなど、参照数の他の測定値には影響がありませんでした。
趣味・関心リスト – フォロワー数
趣味・関心リストは、Facebookのコンテンツを整理して表示するための1つの方法です。趣味・関心リストを使う消費者が少ないため、Facebookではこの機能の廃止を決めました。その結果、趣味・関心リストを作成した、またはリストで取り上げられたプロフィールの合計フォロワー数が減ることが予想されます。これには主に次の2つの理由があります。1)趣味・関心リストを作成した、またはリストで取り上げられた人の場合、プロフィールのフォロワー数には趣味・関心リストのフォロワーも含まれるため。2)他の人のフォローはプロフィールからでも趣味・関心リストを通じてもできるため、プロフィールのフォロワー数では同じ人が重複して数えられている可能性があるため。このアップデートがページインサイトのニュースフィード配信に影響することはありません。プロフィールのフォロワー数への影響は、そのプロフィールで作成した、またはそのプロフィールが取り上げられた趣味・関心リストの数によって異なるでしょう。ほとんどのプロフィールで、フォロワー数の減少は5%未満にあると思われます。
広告指標をよりわかりやすく
Facebookではここ数か月、広告レポートの改善に取り組んでいます。そしてこのたび、情報をより明確にわかりやすくするためのアップデートをいくつか発表します。これから行うアップデートの一部は以下に説明されています。すべてについて、製品内の定義を変更します。
- 名称をより記述的に: 今後数か月の間に指標の名前を変更し、意味が伝わりやすいようにします([コンテンツの表示] → [ウェブサイトのコンテンツの表示]、[動画の再生] → [動画の3秒間の再生]など)。
- 計算をより明確に: 一部の計算方法をはっきりさせて、広告主によるFacebook製品の使い方が反映されるようにします。たとえば、2月にキャンバスをリリースした際、内容に専念できるネイティブ環境をFacebookで作り出せる機能を広告主に提供しました。キャンバス内では、Facebookのアプリ内ブラウザでオフサイトコンテンツにもリンクできます。この環境は広告主にとって貴重であるものの、キャンバスビュー時間という指標の本来の意図は、キャンバスでの滞在時間を捕捉することでした。そのため、この指標の計算方法をはっきりさせて、キャンバス外部(オフサイトコンテンツへのリンク)での滞在時間が除外されることを反映しました。
- より一貫性のある定義に: すべての広告ツールで、ヒントと用語集のセクションを変更し、どのインサイトが推定値かという注意も含め、指標の説明に一貫性があるようにします。たとえば、キャンバスやリード獲得フォームなど、内容に専念できる新しい環境がFacebookに展開されるにしたがって、リンククリックという指標は徐々に進化し、Facebook外部のウェブサイトに移動するクリックに加え、Facebook上のリンク先に移動するクリックが含まれるようになりました。広告作成ツールにあるリンククリックの定義は変更され、今後はすべての広告ツールに定義の変更を適用します。また、動画の再生に関する指標(3秒、10秒、30秒)の説明に「合計」という言葉を加えて、この指標が一定の秒数以上の合計再生時間にもとづくものであることをより明確にしました。
- 分類方法の改善: マーケターが、これまでよりも簡単に特定の指標を選んでレポートに含められるような工夫をしました。この目標を達成するため、マーケターの広告の作り方が反映されるようにレポートの列をカスタマイズできる方法を考えました。これにより、マーケターは、特定の広告の目的を、チェックアウト、リード、登録などの指標に直接マッピングできるようになります。
これらの取り組みは長期的な投資であり、今後も指標に関する情報のブログで最新情報をお届けしていきます。