米国時間2016年4月13日、Facebookの開発者カンファレンスF8 2016は2日目を終え、幕を閉じました。将来の展望をテーマにした発表を、数千人が来場したほか、百万人以上がオンラインで視聴しました。冒頭の基調講演では、Facebookの最高技術責任者(CTO)マイク・シュローファー(Mike Schroepfer)が、世界中の人を繋げていくことと、AIや仮想現実(VR)のような新たなプラットフォームの成長の可能性について発表しました。
2日目の発表を通して、Facebookの注力分野におけるアップデートをご説明しました。
コネクティビティ・ラボ(Connectivity Lab)
Facebookのコネクティビティ・ラボ(Connectivity Lab)では、未だインターネットにつながっていない人々や、十分なインターネット環境が行き届いてない人々に、より良いインターネット体験を提供できるよう、様々な新技術を研究・開発しています。今回は、より早く、効率的で、質の高いインターネット接続を世界中で実現するための2つの新たな地上システム(英語)を発表しました。テラグラフ(Terragraph)は、都会の人口密集地に向けた無線システムで、エアリーズ(ARIES)は人口密度が少ない地域で電波を最大化するためのコンセプト段階の研究プロジェクトです。
人工知能(AI)
応用マシンラーニングチームは、AIを中心に据えることでよりパワフルになるFacebook体験の将来像をご紹介しました。このチームは、今後人々のつながりがさらに質の高いものになるよう、翻訳や、画像認識によってタグではなくコンテキストで画像の内容を把握・識別し画像検索につなげたり、リアルタイムでの動画の識別といったことを実現するため、研究に取り組んでいます。
ソーシャルVR(Social VR)
仮想現実(virtual reality, VR)には、ほかのプラットフォームよりもさらにソーシャルになりうる大きな可能性を持っています。近頃立ち上げたソーシャルVRチームは、現在のVR技術を使って、人と人がどうつながり、シェアができるのかといったことや、VR技術の進歩によって、仮想現実が情報通信プラットフォームとしてどのような役割を果たすのか長期的な可能性を模索しています。このチームが挑戦しているプロジェクトには、仮想現実の中でどう実在感(プレゼンス)と、 周辺環境との相互作用(インタラクション)を組み合わせられるかについての研究や、仮想現実の中での声とボディランゲージでどうコミュニケーションが取れるかといったものが含まれています。
オープンソース(Open Source)
近年、React NativeのおかげでiOSやAndroidインターフェースを開発する環境は大きく変わりましたが、本年、この開発環境に新たな機能を追加することを発表しました。Windows向け React Nativeと、全てのSamsungスマートテレビで動くTizen向け React Native、そして、ログイン、シェア、アプリ用アナリティクス、グラフAPIなどのソーシャルな機能をより早く簡単に組み込むことを可能にするReact Native向けFacebook SDKです。
モバイル環境でのFacebook利用体験を最上なものにするために、内部ツールの開発にも力を入れています。本年、開発者の皆様が開発されているモバイルアプリの性能を高めるために利用できるプロジェクトをいくつかオープンソース化しました。より詳しくはエンジニアブログ(英語)をご覧ください。